元オンライン英会話運営者から見た、値上げと今後の動き
2015/07/05
昨日、2014年10月13日のワールドビジネスサテライト(WBS)でオンライン英会話の特集が行われていました。
内容は、フィリピン人講師を抱えるオンライン英会話サービスが相次いで値上げしていることです。
紹介されていたのはレアジョブで、月額5,000円→月額5,980円に値上げされています。
自分自身、オンライン英会話の運営を行っていたときは月額5,000円で1日1レッスン(25分)の料金プランでした。
値上げの理由とは?
値上げの最大の理由は、番組でも紹介されていた通り「円安」にあります。
2012年の5月からフィリピンのセブ島に住み始めましたが、当時は史上稀に見る円高で、米ドル為替が1ドル=78円の時期でした。
フィリピンの通貨であるペソのレートも
1ペソ=0.55円(2012年5月当時)→ 1ペソ=0.42円(2014年10月現在)
と変化しました。
フィリピン人講師を1名雇用した場合、その人件費が20,000ペソとします。
20,000ペソ=36,364円(2012年5月当時)
20,000ペソ=47,619円(2014年10月現在)
つまり講師1名あたりの人件費が、月額11,255円増えているのです。
レアジョブの講師数は、3,800人と番組で紹介されていたので
単純計算で、1ヶ月あたりの人件費が4277万円増加した計算です。
これは企業にとって、特に安い料金で提供するオンライン英会話事業にとっては非常に大きな痛手となります。
オンライン英会話は、ある意味「フィリピン人講師の輸入」しているため、他の輸入業と同じように値上げされるのは自然な流れです。
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今後のオンライン英会話業界の動きは?
番組内では、あえて料金を大幅値上げしてフィリピン人ではなくアメリカ人やイギリス人などの欧米系講師を増やすベストティーチャーという会社が紹介されていました。
月額料金は9,800円が標準プランでレアジョブの1.8倍ほどです。
料金ではなく、中身の差別化で対抗していこうという戦略です。
ただし、この価格帯になると昔からある通学型の英会話教室(オフライン英会話)との競合ゾーンに入ります。
また、1ヶ月5,000円なら月に1回飲み会に行くのを我慢すれば払える料金帯ですが、1万円毎月払うとなると躊躇してしまう金額です。
今後の企業戦略を考えた場合、オンライン英会話自体が完全なレッドオーシャン業界であり多少料金を上げても利益率は低いままです。
そのため、オンライン英会話そのもので利益を取るのではなくオンライン英会話を軸として、利益率の高い語学学校や英会話教材などに横展開していくべきだと考えます。
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