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【ZMP】世界初、自動運転タクシーに乗車してきました

   


2018年8月30日、ZMPと日の丸交通による、世界初の自動運転タクシーを用いた営業実証実験に参加してきたのでその体験談です。

自動運転については世界ではGoogle、テスラ、Uberなどが自動運転の開発に積極的ですが、日本ではZMP社が注目されています。

 

今現在自動車については日本のメーカーが世界でも大きなシェアを占めていますが、自動運転が普及すると自動車業界の構造が変わり、携帯電話やテレビなどのように日本製があっという間に廃れる可能性もあります。

 

さて、そんな自動運転の実証実験ですが今までも自社の敷地内で行われてるケースは多々ありますが、今回は公道を使い更に乗客も乗せるという営業実験です。

 

六本木~大手町の約5.3kmの区間を走ります。

乗客は以下のサイトから申し込みを行い、抽選により選ばれた人が乗れるというものでしたが、運良く当選したため2018年8月30日に参加してきました。

 

自動運転タクシー営業実証実験申込ウェブサイト
https://www.zmp.co.jp/aidelitaxi

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乗車~移動~降車まで完全無人を想定

今回の自動運転タクシーの実証実験ですが、乗車~移動~降車まで完全無人を想定して行われます。

そのため運転席と助手席に運転手(多分日の丸交通の社員の方)と技術者(多分ZMPの社員の方)も同乗するのですが緊急時以外は会話や対応はしない想定です。

 

乗車の予約は専用のスマートフォンアプリから行い、乗車料金の決済は登録したクレジットカードで行います。

乗車時刻に集合場所に向かうと簡単に手順の説明と注意事項を確認します。

ちなみに車内は撮影禁止のため、写真は外観の写真のみとなります。

 

 

自動運転タクシーのベースはトヨタのエスティマです。

自動運転専用車ではなく、通常の車に自動運転用のシステムやカメラなどを設置する形です。

 

ドアのロックの解錠はスマートフォンからQRコードを読み込んで行います。

これも完全無人を想定しての設計です。

 

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さて、車に乗り込みタブレットでルートを確認して出発! したところでいきなり問題が発生しました。

発車場所の駐車場が車通りが多く、中々車線に割り込めない状態です。

たまに車が途切れて、人間の運転手ならば行けそうなタイミングも何回かあったのですが自動運転は人間より慎重な様子です。

 

結局1分くらい経っても車線に入れなかったため、マニュアルに切り替えて運転手の方が操作するという中々厳しい出発となりました。

 

乗車中に気づいた、いくつかの疑問と懸念点

普段何気なく見ている風景、標識や信号も自動運転と考えるといくつかの疑問が出てきます。

 

例えば信号の判断です。

信号が青、黄色、赤、または直進、右折のみ可などはどうやって判断しているのでしょうか?

信号が自動運転を前提に設計されていたらIoTのように電波で直接状態を送信してくれることも可能でしょうが、当たり前ですが今の信号は人が目で見て判断するように設計されています。

 

そんなことを後部座席で話していると、助手席に乗っている技術者の方が

「カメラで色を視て判断しています」と教えてくれました。

完全無人を想定しているため本当は積極的に会話はしないのですが、思わず入り込まずにはいられない様子でした。

 

しかし単純に色だけでなく、信号が複数ある場合手前が赤信号、後方が青信号のときなどもあるので距離とかの判断も重要です。

そこらへん万が一でもご認識して交差点に突っ込んだら大事故になってしまうので、確実性が必須となるでしょう。

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また、人間でも判断が難しいようなシチュエーションにどう柔軟に対処するかも重要です。

例えば広い交差点で停止線を越えた位置にいて信号が黄色や赤になってしまったとき、人間なら前の車の詰まり具合や横からの歩行者の状態などから総合的に判断します。

交通ルールの教科書通りに黄色や赤で進まないと、場合によってはかえって事故になってしまうケースも考えられます。

 

そこについても助手席に乗っている技術者の人が

「交差点に進入していれば信号が黄色でも進むけど、反対側の信号が青になったら停止するように設計している」と教えてくれました。

 

ただこのへんの判断はやっぱり一律に正しいルールの適用は難しいので、”総合的に判断する”というのをAIがどこまで出来るかにかかってきます。

 

自動運転の現状と今後の課題

 

六本木~大手町の約5.3kmの区間を走り終えた結果、自動運転の現状が見えてきました。

まず”運転手が乗っているが緊急時以外は自動”の想定で行われたものの、実際には走行中7回ほど手動に切り替えた場面がありました。

 

最初の出発時の車線への割り込み、幅の狭い空間での走行、前を走っていたタクシーが乗客を乗せるために停車し車線にはみ出しているのを避ける、横断歩道で停止した場合の再出発などです。

 

万が一にも事故が起きないように安全を期したのだと思いますが、まだ最初から最後まで完全に自動とはいかないようです。

 

今後の普及については運転技術もそうですが、やっぱりコストとの兼ね合いが鍵になってくるかと思います。

将来の運転手不足に備えるためにも自動運転の技術は必須ですが、仮に有人と無人の利用料金が同じだった場合、恐らく有人を選択する必要のほうが多いかと思います。

 

完全無人のほうが気が楽という人もいるでしょうが、その場合は車内や外観を汚されたり壊したりされた場合の保証と管理が問題になってくるかと思います。

もし車内に監視カメラを設置すればある程度は防げるかとは思いますが、その場合はせっかくの無人の長所の1つを無くしてしまうことになります。

 

事故責任の法律の整備や運用ルールも含めて、技術だけでなく国としてどう取り組んでいくかが重要となってきそうです。


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