腕時計に興味がないからApple Watchを買うという話
2015/07/05
Apple Watchの購買層はどんな人?
Most people who pre-ordered an Apple Watch did not receive one in the first wave of shipments, with Slice Intelligence reporting that only 376,000 of the 1.7 million Apple Watches ordered were delivered to U.S. consumers this weekend.
Apple Watchが4月24日に発売されて約10日が過ぎました。
購買動向調査のSlice Intelligenceによると、アメリカだけで170万台以上、世界的に見ると300万台以上の予約もしくは販売されたそうです。
これは2014年に発売された全てのAndroidスマートウォッチの販売台数を上回る数値です。
一体どのような人たちがApple Watchを購入しているのでしょうか。
大きく分けると以下の3つに分類出来ると思います。
1. 新しいモノが好きな人たち
2. アップル製品が好きな人たち
3. 既存の腕時計に興味のない人たち
1つ目と2つ目の購買層については説明は不要でしょう。
これだけ話題となっているアップルの新製品なので、一定数新しいモノ好きな人たちが(とりあえず)購入します。
しかし「Apple Watchは売れない」という予測に反して現時点でこれだけ売れているのは、3つ目の「既存の腕時計に興味のない人たち」が購入したからだと言えます。
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携帯電話の普及に伴い、腕時計自体が「時刻を知る実用品」から「ファッションとして身に付ける嗜好品」へと変化していきました。
時計としての性能で言えば数百万円の高級腕時計の大半は、数千円のデジタルウォッチに完敗しています。
人間の手首は右と左で1つずつしかなく、かつ周りから見える部分なので「腕は一等地」だと時計メーカーは言います。
しかし最近は携帯電話の普及で一等地が空いている人たちが増えました。
その空白の一等地を狙って、Apple Watchをはじめとするスマートウォッチ市場が出てきました。
既存の腕時計なら携帯電話で十分と考えている層に対して、別のアプローチで一等地を奪いにきたのです。
「iPhoneは売れない」と同じことを繰り返さないために
iPhone 3Gが日本で登場したときに「電話として使いにくい」「タッチパネルでメールが打ちづらい」「でかい、重い」「通信料金が高い」など様々な理由で「iPhoneはなぜ売れないか」が論じられました。
今から見ると笑い話ですが、更に興味深いのが現在のiPhone 6でもかつて指摘された問題点の数々は一つも解決していないという点です。
相変わらずタッチパネルの文字入力はガラケーの物理キーに劣りますし、大きさもiPhone 3Gの3.5インチからむしろでかくなっています。
スマホゲームについても「あんなに小さい画面でゲームをやって楽しいのか」「コントローラがないゲームなんて面白く無い」と散々言われましたが、今ではスマホゲームがコンシューマ機の市場を食い尽くしています。
要はデメリットがあることが問題なのではなく、デメリットを上回るほどのメリットがあれば自然と市場は拡がっていくということです。
なので売れない理由はいくら論じても意味がないですね。
Apple WatchはiPhoneのように「買いたい理由」を提案出来るか
かと言ってApple WatchがiPhoneほど普及するかと言えばそれは別の話。
自分自身Apple Watchを発売日から使っていますが、最も答えづらい質問が「Apple Watchで何が出来るの?」だからです。
正直Apple Watchは現時点では小さいiPhoneでしかなく、Apple Watchにしか出来ないことはないです。
ヘルスケアでは手首で身につけているApple Watchでしか計測出来ない独自の機能を備えていますが、Apple Watchを購入している人、購入を検討している人の理由がヘルスケアのはずがなく、その機能が欲しいのなら別のスマートウォッチでいくらでも優れたものがあります。
iPhoneを取り出さずに通知を確認出来るメリットはありますが、iPhoneを取り出すのは1秒あれば出来ます。
満員電車でゴソゴソとiPhoneを取り出さなくても良いという人もいますが、iPhoneはつり革につかまりつつ片手で操作出来るのに対してApple Watchは操作するのに両手が必要です。
Siriを使えば片手でかつポケットからiPhoneを取り出さなくても操作出来ますが、満員電車でボソボソとSiriと話してたら完全に不審者です。
Apple Watch対応アプリも現時点では「iPhoneの一部の機能を使える」だけで、身につけているウェアラブル端末の利点を活かしているものはほぼないです。
今後Apple Watchだけでなくウェアラブル端末の市場が拡がっていくかどうかの鍵はデメリットを解決することではなく、ウェアラブル(身につけていること)でしか出来ない機能やメリットをいかに提案出来るかにかかっています。
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