日テレ女子アナ内定取り消し問題、「被害者」が批判されている件

2015/01/09 2020/10/05

日本テレビのアナウンサーとして今年４月に入社する予定だった、東洋英和女学院大学４年の笹崎里菜さんが、東京・銀座のクラブでアルバイトをした経験があったことを理由に内定を取り消されたことは不当と東京地裁で判断されました。今年の４月に入社することになったようです。

女子アナ裁判和解で入社へ　地裁勧告へ

http://news.yahoo.co.jp/pickup/6145103

「女子アナ内定取消」が刺激した　「水商売」へのホンネとタテマエ

http://www.j-cast.com/kaisha/2014/12/12222986.html

事件の簡単な流れを書くと
日テレ内定（他の会社への就職活動をしないこと条件とされる）

↓

人事担当者に、「母の知人が経営する銀座のクラブで、3か月ほどアルバイトしていたことがある」という事実を申告

↓

日本テレビ側は「内定取り消し通知書」を一方的に通告

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地位保全を訴えて、東京地裁に日本テレビを提訴

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和解成立　今年４月入社へ

企業は採用にあたって人を選ぶ権利があるのだから、自社の判断で採用、不採用を決めていいとは考えています。

なぜなら、入社した人の行動や問題１つが企業イメージに繋がり経営に影響を与えて損害を被る可能性があるからです。

しかし今回の内定取り消しは、理由も経緯も明らかに不当なものです。

１つ目に、「他社への就職活動をしないことを条件にしたにもかかわらず、一方的に内定を取り消したこと」

企業が人を選ぶ権利があるように、人が企業を選ぶ権利もあります。そのため、このような条件を出すこと自体がグレーです。

２つ目に、内定取り消しの理由が「女子アナの仕事には高度の清廉さが求められる」「”傷がついた”アナウンサーを使える番組はない」「ホステスのアルバイト歴を記載しなかったことが、会社への虚偽申告に当たる」

正直、ツッコミどころ満載です。

女子アナに高度な清廉さ・・・企業の採用の価値観は自由なので、採用前にどのような理由で決めるかは自由ですが、一度内定を出した人材を曖昧な理由で判断を変えていいわけがないです。ましてや他社への就職活動の権利を奪う条件もつけたのですから。

アナウンサーとして仕事に支障が出るような、喉の病気を隠していたとかなら話は別ですが。

そして「女らしさを売るのは清廉性に欠けるが、それを買う男性は清廉性を問われない」という矛盾。

銀座のホステスに一番お世話になっているのは、テレビ局の男性職員たちじゃないんでしょうか。

理不尽な損害を被った被害者を批判するコメントに違和感

日本テレビの対応にも違和感を感じますが、同じくらい違和感を感じるのが今回の問題を受けて「被害者を批判する人たち」です。

「提訴した会社に入るなんてどんな神経してるんだ。」

「入社しても干されるだけ。すぐに退社したくなる状況に追い込まれる。」

「他の会社に入ればよかったのに、どれだけ女子アナになりたいんだ。」

などなど。

笹崎里菜さんという方が、どういう気持ちで入社したいのかわかりませんが入社した後は他の人の何倍も苦労するのは同感です。

周りの視線が気になるでしょうし、相当働きづらいと思います。

ただその原因を作ったのは、笹崎里菜さんではなく理不尽な内定の取り消しを行った日本テレビ側です。

何もなければ本人は普通に入社して普通に働けたわけですから。

逆境の人間を応援するのではなく、批判するところに「日本は嫉妬社会」という言葉を実感させられます。

批判の原因となる、「入社する会社を提訴」したのは笹崎さん自身の判断ではあります。

ただ、何もせず黙って内定取り消しを受け入れてたら泣き寝入りするしかなく、悪しき風習が今後も続くことになります。

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ふくえもん / FUKUEMON

デジタルマーケティングまわりを得意としています。主な職務経歴は、Twitter、Instagram、Facebookなどソーシャルデータを中心としたビッグデータ分析、オンライン英会話事業の立ち上げと運営、SNS広告運用、SEO事業など。お問い合わせ、ご依頼などは以下のページをご覧ください http://fukuemon.me/about-me/